気分障害とは、文字通り気分が沈んだり、「ハイ」になったりする病気です。
泣いたり、笑ったりと感情が著しく変化するため、以前は感情障害と呼ばれていたようです。
しかし、長く続く身体全体が調子が悪くなる病気という意味で、気分障害と呼ばれるようになりました。
病状が重い時は、一時的に妄想や幻聴などの精神病症状がでることもあります。
放置しておくと命にかかわる病気です。
気分障害の症状や原因、そして、どんな治療法があるのでしょうか?
気分障害の症状はうつ病と双極性感情障害(躁うつ病)の二つのタイプがある
うつ病の主な症状
特徴として、朝が最も悪い状態で、多くの場合は夕方にかけて回復していく。
ストレスが引き金となりひき起こされるので、誰でもなる可能性があるので、以前は「心の風邪」と言われていましたが、実際には、風邪ひきよりははるかに重い病気であるため、現在はこうした言い方はされないようになっています。
風邪よりも重い肺炎と思った方がいいです。
放置すれば命にかかわることもありますが、きちんと治療すればほとんどの場合すっかり良くなります。
理由もなく悲しい気持ちになり、憂うつで気分が落ち込み、時には何の希望も持てなくなる。
今まで夢中になってしていた趣味などの好きなことに対して興味がなくなってしまう。
落ち着きがなく、じっとしていられなくイライラして足踏みをして体を動かす等の行動が出てきます。
集中力・注意力の低下、自信の低下、自責感が目立ち、将来を悲観して、自殺を考えるようになったりします。
不眠、食欲低下、体重減少、性欲減退などの身体症状を伴うために、最初は体の異常を疑ってしまう。
悲しいことがあったり、大きな失敗をしたときなどは、誰でも食欲がなくなったり眠れなくなったりしますが、うつ病はこれがひどくなって、
そのまま治らなくなってしまう。
どんなに楽しいことがあっても気分が改善しない嫌な気分(抑うつ気分)」または「それまで興味のもてたどんなことにも興味がなくなった状態(興味喪失)」のうちの少なくともどちらかがあり、他に5つ以上の症状が2週間以上続いた時に、うつ病と診断されます。
双極性障害の症状
双極性感情障害は、気分が高揚し、生気がみなぎって活動的となる時期と、気分が落ち込み、元気がなく活動性が下がる時期を交互に繰り返す病気です。
うつ状態と躁状態、または軽躁状態が出現する病気です。
躁状態がある場合は双極I型障害、軽躁状態だけの場合は双極II型障害と呼ばれます。
躁状態だけの人も、いずれうつ状態が出てくることが多いので、双極性障害と診断されます。
一方、軽躁状態だけでうつ状態がない場合は、双極性障害とは診断しません。双極性障害は、100人に1人位しかかからない病気で、誰でもなりうる「うつ病」とはだいぶ違います。
主な原因
うつ病
うつ病の主たる原因はストレスです。
ストレスにさらされると、これに立ち向かうホルモン(副腎皮質ホルモン)が分泌されますが、普通は「フィードバック機構」が
働いて次第にストレス反応が止まりますが、うつ病になるとこれが止まらなくなってしまいます。
持続的に強いストレスにさらされたら、ほとんどの人がうつ病になりうると考えられますが、ストレスに対する強さ弱さは個人差があります。
ストレスに対する弱さは、生まれ育った環境などによって決まるようです。
双極性障害
主たる原因は、遺伝的な体質により、細胞内のカルシウム濃度の調節に変化を来し、これによって神経細胞のはたらきが変化することだと考えられています。
ただし、遺伝病とは異なり、こうした体質を持っていても病気になるとは限りません。
ストレスは発症のきっかけにはなりますが、直接の原因ではありません。
治療法
一般的には、抗うつ薬などの「薬物療法」、体に対する負担を軽減する「休養」、考え方や気持ちを変えていく「認知療法」などを組み合わせた
治療になります。
薬物療法に対しては、副作用を心配される人も多いですが、「抗うつ薬」は最初は副作用を抑えるために少量からから開始し、適切な服用量に調整していきます。
効果があらわれるまでには服用開始から2~3週間かかるようです。
そのため、吐き気や眠気、めまい、頭痛などの副作用が先にでる場合があります。
抗うつ剤の選択に関しては大きく分けてセロトニン系とノルアドレナリン系の2つで、どちらも効果があるが、あるがセロトニン系の、薬剤の方が圧倒的に副作用が少なくて使いやすいようです。
精神症状が重いうちは医師の指示に従って飲むことが大事です。
不眠障害がある場合は、睡眠薬を処方されることもあります。
うつ病の原因の多くは「仕事」「家事」「学校」であることが多いので、休職(退職)・休学(退学)等の行動を取ることで、症状が改善されることもあります。
認知療法はセラピストの指導を受けることもあれば、日記を使って自分で行う人も増えています。
頑張るという意識を持たずに、「まあ、なんとかなるさ」「あせらずに、ゆっくりと」というリラックスした心境に持っていくのが大事です。
最近の研究においては、腸内細菌叢を邪魔してみると、人の不安やうつ病、自閉症に似た行動が誘発されたそうです。
そして、腸内の善玉菌を増やしてやると行動が正常になったという研究があるそうです。
腸内細菌と脳の相互作用についてはまだまだ研究の余地があるものの、気分障害を食事で治療できる物質(サイコバイオティクス)には可能性以上のものがあると
研究者は述べています。
私の経験だとうつ病にはどちらを選んでも必ず効果はある印象である。大事なのはいかに副作用を出さずに極量まで持って行くかということ、
まとめ
人はもともと、ストレスには弱い生きものだと思います。
悪いことがあれば落ち込んだり悩んだりします。
ですので、自分なりのストレス解消法を身につけることが大切だと思います。
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